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Vol.4 NO COLORS,NO ROOM。上手に部屋を着替えよう

何となく惹かれる色ってありませんか? 僕の場合は緑。スマホケース、サンダル、バッグ、マウスパッド、万年筆のインク……気が付くと緑色のモノばかり買っています。癒されたいのでしょうか。ライターのタラです。

ちなみに、昔カラーコーディネーターの資格を持っている知人には「ベージュは似合わない」と言われたことがあります。好きじゃない色なら分かりますが、似合わない色なんてあるんですね。

ということで、今回は色にまつわるイロイロな小噺です。

 

友人に「部屋の壁を塗りたいから手伝ってくれ」と言われて、やったこともない塗装の真似事をしたことがあります。それほど広くない部屋。「とにかく白くしたい」という要望に沿って、天井から壁板、窓枠、ついでに部屋にあったローテブルまで、無計画にローラーや刷毛でせっせと塗りました。

白くしたい理由は、古い部屋だったので何となく薄汚い印象で、清潔感を出したいとのこと。結果、大作業の末、真っ白な部屋が出来上がりました。素人仕事にしては中々の仕上がりで、友人もまあ気に入ったようでした。

しばらくすると、友人が「なんか落ち着かない」と言い出しました。また、その部屋を訪れた別の友人には「病院みたいだな」なんて言われる始末。

言われて改めて部屋に行くと、確かに妙な圧迫感があり、閉じ込められているような感覚になるのでした。病院みたいとは、言い得て妙です。

 

「こち亀」でおなじみの漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。主人公の両津勘吉が巻き起こすハチャメチャな人情コメディなのですが、その膨大なエピソードの中に「色」にまつわるエピソードがあります。特別に全編カラーだった特性を活かして、とある「一色」に取りつかれた人たちが出てくるのです。例えば緑川さんというキャラは、その名の通り全部が緑。ジャングルみたいな部屋に住んでいて、自然保護の仕事をしている徹底ぶり。他にも全てが赤や黄、金色の住人も出てきて、すったもんだするわけです。

好きな色に執着しすぎた人たちの言動は滑稽そのもの。興味のある方はぜひご一読を(こち亀のコミック41巻参照)

 

 

感じ方に個人差はもちろんありますが、確かに色がもたらす心理効果の存在は科学的にも明らかにされています。

「白=清潔感」は間違いありません。一方で、白は虚無感を誘発する色でもあると言われています。部屋全体を白っぽいトーンでまとめるならばまだしも、壁全面白一色で囲むというのは、やはり心理的な負荷を生んだということなのでしょう。

部屋全面を白一色にするのはやりすぎでした。今、あの部屋はどうなっているのでしょうか。

 

 

 

部屋を一色にするのは流石に大げさ。しかし、だからと言ってたくさん色を使えば、それはそれでガチャガチャした雰囲気になり、統一感がなくなるのがオチです。

そこで有効なのが「室内配色の黄金比率」です。

室内の色は大きく分けて三つに分類されます。

  • 『ベースカラー』……床・壁・天井など、一番面積の大きい色
  • 『メインカラー』……窓装飾品や家具、カーペットなど、主役となる色
  • 『アクセントカラー』……絵画やオブジェ、クッションなど、変化や遊びとなる色

この三つをベースカラー70%、メインカラー25%、アクセントカラー5%の目安で配色したものが黄金比率となります。

もちろん、きっちりと測ることはできないので概算にはなってしまいますが、おおよそこの数値をイメージして部屋の配色を決めると、心地の良い部屋になると言われています。

 

 

ベースカラーには空間が広く見えるグレー、壁面ラックやテーブルなど主張のあるメインカラーには木材を使った茶系色、観葉植物のグリーンをアクセントとしています。なんとなくバランス良さそう(でしょ?)。

もちろん、これはあくまでオーソドックスな割合。とらわれる必要はありません。例えばベースカラーを60%くらいと考え、その分をメインカラーに割いたり、もう一色二色をアクセントカラーに使ったり。大中小くらいのイメージで配色すると良いかもしれません。

 

と、こんな事を書きながら、改めて自分の部屋を見渡すと、ずいぶん殺風景で、しまりがなく、つまらない部屋だなぁと痛感するのでした。

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