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Vol.7 立って読んで欲しい? 『座る』のあれこれ。

新年あけましておめでとうございます。ライターのタラです。

毎年、年始には一応豊富のようなものを考えます。残念ながら実現できたことはありませんが、気を引き締めるという意味では、ちょっと立ち止まって、一年を考えるのは必要なのでは、と思ったりしています。今年の目標は「もう少し文章で稼げるようになる!」……なんて事をソファでまったりしながら考えました。という事で、新年一発目は「座」にまつわる小噺。


学生時代の彼女の話。何となく将来の話になったとき、彼女は「椅子のデザイナーになりたい」と夢を語りました。グラフィックや洋服ではなく「椅子」。中々にマニアックだなと思って理由を聞くと「人生って座っている時間がとても長いでしょ。今だって、こうして座って話しているし。椅子って生活にとても密接していると思う。そんな人の生活に関わるモノが作りたい」と熱っぽく言ったのです。若いのに立派。

残念ながらその彼女とは別れてしまいましたが、その後、彼女はデザインの学校へとさらなる進学をし、勉強に励んだようです。夢が叶ったのかどうかは知る由もありませんが、もし彼女が椅子デザイナーになっているとしたら、きっと素敵な椅子を作っていることでしょう。

 

さて、実際人はどれくらいの時間を座って過ごすのでしょうか。世界の平均は一日約5時間と言われています。一日の約1/5です。

では日本は? 実は世界一「座る国民」で、一日平均約7時間を座って過ごしているという結果があります。たった7時間と侮ることなかれ。仮に睡眠を7時間として、24時間から引くと起きているのが17時間。その内の7時間と考えると、四割強が座っている計算になってしまうのです。

それはそうです。仕事だけではなく、食事をしたり、お酒を飲んだり、テレビを見たり、身支度をしたり、車の運転も考えてみれば……。座っているシチュエーションを挙げればきりがありません。

これだけ座っているのだから、当然生活や体に影響がない、ということはありません。しかも、実はかなりこわ~い影響が報告されているのです。

 

 

少し前になりますが、「エコノミークラス症候群」という病気が話題になりました。これは飛行機やバスなど、窮屈な座席で長時間同じ姿勢のままでいると、血流が悪くなり血管の中に血の塊ができ、痛みや痺れを生じるというもの。重篤化すると心臓発作を引き起こす事例もあります。

これは何も飛行機だけの話ではありません。昨今はコロナの影響でテレワーク化が進み、外出せずに自宅でずっとデスクワークなんて人が増えたため、自宅にいながらエコノミークラス症候群になる事例も報告されているようです。

そもそも長時間座り続ける弊害のひとつに、ふくらはぎを動かさないことがあります。ふくらはぎは、全身の血流を下半身からポンプのように送り出す「第二の心臓」と呼ばれる重要な部位。そこが不活性状態になると、体に酸素や栄養を送る血流が滞り、代謝は低下。やがて血液はドロドロになり、血管トラブルの原因となる血栓ができやすくなるのです。

また代謝の低下は糖や脂肪を分解する酵素の動きも鈍くするために、肥満や糖尿病を誘発するリスクを高めると言われています。

 

また、世界にはこんな研究結果があります。

それは「1時間座り続けると22分程度寿命が縮まる」という、何とも恐ろしいもの。日本人の平均7時間で計算すると、一日で154分も命を縮める計算。一週間で約18時間、一か月で約89時間、一年で約1080時間……概算で一年間で45日もの寿命を削っていることになるのです。もちろん、これはあくまで計算上の数値で、仮説に基づいた一例ですが(事実、世界一座っている日本人の平均寿命は世界一長いので、何とも言えない……)。

しかし、例えば座りっぱなしで仕事をして「腰が重くなる」「目が疲れる」「肩が凝る」なんてことは誰しもが経験はあるはず。そうした小さな警告も、積もれば重篤なリスクになります。

1時間で22分……という数字はさておき、「座りすぎは怖い」と言うことは忘れないでください。

 

 

しかし、リスクがあると言われても、座らないでは生活できないのも事実。という事で、最後に少しでもリスク軽減に役立つかもしれない、座り方に関してご紹介します。

まず意識するのは、肘・腰・膝の三か所。この三点が90度になるように心がけます。この角度が取れない場合は、椅子や机の高さが合っていない場合があります。

ずっと背もたれに寄りかからないのもポイント。背もたれに寄りかかると、どうしても背骨が湾曲した状態になり、姿勢が悪くなる要因です。

盲点ですが、足の裏をきちんと床面につけるのも忘れずに。足をブラブラさせておくとバランスが悪くなり、座っていて疲れが溜まりやすいそうです。

座った状態で、頭のテッペンから背骨~腰~地面へと一本の線を通すイメージだと分かりやすいかも?

もちろん、加えて、小まめに立ち上がって伸びをしたり、屈伸したり、ストレッチしたり。適度に体を動かすことも忘れずに。

 

 

気が付けば、かれこれ3時間くらい座りっぱなしで、この記事を書いているのでした。ちょっと外でも走ってこようかなぁ。

 

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