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Vol.24 畳で暮らしが変わる? その効果はONLY ONE。

先日、健康診断がありました。おおむね健康体だったのですが、気になる点がひとつ。なんと昨年から3㎏も体重が増加していたのです。スポーツの秋だし、久しぶりに運動でもしようかな。かつてはバスケットマン、ライターのタラです。

父親が新しいスリッパを買いました。畳でできているもので、「足裏が気持ちいいし、防臭効果もある」と自慢げに語ります。畳のスリッパ。なるほど、理にかなっています。

ということで、今回は畳と和室を探るお話。さてさて、日本古来の畳にはどんな魅力があるのでしょうか?


二十数年前、建て直す前の家の話です。

まず家族が食事をする居間、いわゆるリビングスペースは畳敷きの和室でした。そこに足の短いテーブル(冬場はコタツに早変わり)があり、家族が集まって食事をしたり、団欒したりしたわけです。

そして祖父母の部屋。ちょうど居間の真上にありましたが、こちらも和室。あまり入ったことがないので記憶は朧気ですが、茶箪笥があって、文机があって、押し入れには布団が畳んであって……こじんまりした部屋だった印象があります。

さらに父と母が寝る部屋。こちらも畳敷きでした。僕と弟も自分の部屋を持つまではここで寝ていて、親子四人で川の字になっていました。

さらにさらに、僕が高校生になったあたりで、元々倉庫だった部屋を片づけて自室としました。ここも畳部屋。まあ色気づく年頃だったこともあり、なんか畳が格好悪く思い、絨毯を敷いてしまっていましたが。

前にも書きましたが、我が家はおもちゃ屋。店舗及び倉庫スペースを除くと、全部で七部屋ありました。その内、四部屋が畳部屋だったことになります。

時は経ち、今現在。

我が家には畳部屋は一つもありません。部屋数自体も五部屋と減ってはいますが、元々は部屋の半数以上が畳だったことを考えると、極端な減少です。

確かに家を建て直す際、祖母が車椅子だったため、動くのに不自由ないようフローリングのバリアフリー風にしようと考えたそうで、となると畳はガタガタしますし少々不便。生活のあり方によって必要な家を形作るのは、仕方のないことです。

しかし、無くなってみて初めて思うこと。ひと部屋くらいは畳敷きにしておけばよかったなと。頻繁に使ったわけではないかもしれません。自室が畳だったとしたら、また絨毯を敷いてしまっていたかもしれません。

現在、我が家ではリビングのローテーブルで食事をするのですが、フローリングに直に座ると痛いと母親が言いました。座椅子を使ったりしましたが、どうもしっくりこない。結局、どうしかたか。正方形の畳マットを複数枚買ってきて、テーブル近辺に敷いたのです。畳に絨毯を敷く、その逆です。本物の和室と比べれれば、座り心地は見劣りするかもしれませんが、買った当初は「やっぱり畳はいいねえ」と家族が口を揃えて、満足していました。動かしたり片づけたりが簡単で、意外に重宝もしています。

何だか本末転倒で、しょせん無いものねだりです。が、畳は日本古来の誇るべき伝統であり、文化です。日本人の心根の奥の奥の方には、畳を欲する思いがあるのかもしれませんね

 

 

畳の主な原料はイグサという多年草です。畳の他にはゴザなどにも用いられ、独特のあの香りはこのイグサの成分が生み出すもの。その秘密は「フィトンチッド」。これは植物が発散する物質・芳香で、殺菌力を持ち、癒やしや安らぎを与える効果もあるスーパー物質なんです。森の精気とも呼ばれているとか。

森林浴はこのフィトンチッドに大量に接することで健康を促進し、リフレッシュ効果を得るわけですが、実はイグサにはこのフィトンチッドが大量に含まれているのです。

さらに、イグサならではの特性として「空気清浄作用」も忘れてはなりません。車の排気ガスや工場の排煙、タバコの煙など、生活圏に溢れる有害な二酸化窒素をイグサは吸収します。とある研究機関によると、基準値の二倍の二酸化窒素を二~三時間で浄化し、空気がきれいになったという報告も……。

さらにホルムアルデヒドをも吸着できるというのです。

「シックハウス症候群」という症例を耳にしたことはありませんか。これは住宅の高気密化などが進み、建材等から発生する化学物質が室内にこもることによる空気汚染、そしてそれが引き金となって吐き気や頭痛、湿疹などの健康被害を引き起こすもの。この主原因がホルムアルデヒドと言われています。

厄介なのは、この物質は防腐剤や脱臭剤、殺菌剤に多く使われており、さらには住宅の建材や家具材にも含まれている点。家に必要なものなのに、体には害がある。この矛盾に見事に対処できるのが、畳=イグサというわけです。

もしかしたら、シックハウス症候群が騒がれだした時期は、和室が減りつつあった時期と重なるのかもしれませんね。あ、これは個人的想像です。悪しからず。

 

イグサの効能をもうひとつ。これまたとある大学の研究ですが、それは「集中力向上の持続効果」。小・中学生300人を対象に「畳部屋」と「フローリング部屋」に分けて問題を解かせたところ、回答率・正解率ともに畳部屋の生徒たちの方が高かったそうです。

これは研究なので、実際の学校において「畳の教室」は難しいのかもしれません。が、例えば自宅の子供部屋に畳を敷くのはどうでしょう。キレイな空気、リラックス効果に集中力向上。子供にとってはいいこと尽くめのような気がします。むしろ、心地良すぎて、ゴロンと昼寝ばかりしちゃうかな??

 

 

フランスでは、日本風の室内様式を取り入れることを「タタミゼ」と呼びます。これは「畳の上での暮らし」を意味する造語で、その名の通り畳に由来する言葉です。

実際に机と椅子を中心とする暮らしから床でくつろぐ暮らしへと生活スタイルを変えたり、住居の一角に畳や和室を取り入れる外国人も多いそうです。

一方で、日本人である僕たちが日本古来の畳を忘れ、欧米スタイルを取り入れる。何とも皮肉な話です。どちらが良いということではありません。和室にも洋室にも、それぞれにメリットはあり、当然デメリットもあります。

大切なのは自分の生活にあったものを取り入れることでしょう。

 

僕はかなりのヘビースモーカーです。部屋でもスパスパやるので、かなりタバコ臭い。畳を敷けば、臭いは消えるでしょうか。まずは余っている畳マットでも敷いてみようかな。

 

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