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Vol.13 暮らしに彩りを。一輪から始める花物語。

今年は花見をしていません。まだ間に合うのでしょうか。まあ、完全に花より団子の無粋者ですが……。こんにちは、ライターのタラです。

花を愛でる風流さなど持ちあわせていない僕ですが、先日サボテンを買いました。買い物している途中、ふと目について、何故か欲しくなったのです。手のひらサイズの小さな鉢ですが、書斎机の片隅に飾りました。見てると妙に落ち着きます。

嗚呼、花を飾ろう。今回は、そんな気持ちが芽生えるかもしれない小噺をご紹介します。

 

 


友人が彼女にプロポーズすることを決心しました。しかし、ただするだけでは思い出に残らない。何かサプライズをしたいと思案します。ふと思いつきました。今度、旅行の計画がある。ホテルは奮発してスイートルーム。チェックインののち、観光に出て、夕食は有名店を予約。地上数十階にあり、夜景が眼下に広がるロマンチックなお店。本来ならば、ここでプロポーズするのもありでしょう。しかし友人はもうひと捻りしました。

わざと彼女の機嫌を損ねるようなことを言ったのです。賭けです。そして、何となく気まずい雰囲気のままホテルへと戻ります。

部屋に入り電気を点けると、目に飛び込んできたのはベッド一面に散りばめられたバラの花びら。バラは彼女が大好きな花でした。友人はホテルに頼んで、自分たちが部屋を空けている間に、バラを仕込んでもらったのです。当然、彼女は驚いて、何がなんだか分かりません。

そのまま友人はプロポーズをしました。何と言ったかは恥ずかしがって教えてくれませんでしたが、見事にOKを貰い、めでたくゴールイン。今も幸せに暮らしています。

そのエピソードを聞いたとき、いささかやりすぎだろう、と正直ちょっとひいた事を覚えています。バラのベッドって……。ごめんねI君。

ホテルの人に頼むのも、相当勇気が必要だったでしょう。僕は多分、恥ずかしくて頼めないと思います。しかし、友人はそれを乗り越えたのです。彼女の大好きな花いっぱいの中でプロポーズしたい。きっと彼女も、そんな友人の心意気に惚れたのだと思うわけです。

ちなみに赤いバラの花言葉は「あなたを愛しています」だったりします。

実際のところ、バラに囲まれてプロポーズされた時の彼女の心理はわかりません。

しかし、こんな実験結果があります。

花がある部屋となにも無い部屋で、それぞれ男性が女性を誘います。この時、男性からの電話番号を受け取ったかどうかをおのおの判別しました。結果は、花のある部屋の方が、番号を受け取る確率が5割ほどアップしたとのこと。

女性の方が男性よりも色彩感覚が豊富で、また嗅覚も優れていると言われています。つまり女性の方が花に対して、より美しいと感じたり、香りからさまざまな心的影響を受けやすいという事。プロポーズをバラで彩った友人の戦法も、単なるロマンチストなだけとも言い切れないのかも?

そういえば、女性に花をあげたこと、ないなぁ……。あ、だから、か?

 

 

もちろん、花に感応するのは女性だけではありません。誰しも、花によほど嫌な思い出でもないかぎり、花を見たり、貰ったりすれば心がほっこりするものでしょう。これは「ドーパミン」「オキシトシン」「セロトニン」という三つの物質が分泌されるからと言われています。

この三つ、実は「幸せホルモン」と呼ばれる、名前からしてとてもありがたい物質です。この幸せホルモンが分泌されることで、ストレス緩和や精神の安定、やる気の向上、頭の回転力のアップ、集中力増大などなど、さまざまな効果が実証されています。

先述した女性を誘う実験の他にも、花のある部屋にいた方が、疲労や緊張、不安などのネガティブな気持ちが抑えられるという検証結果が得られた例もあるそうです。

 

しかし、実際問題、花の種類も知らなければ、効能にも詳しくない。どこに、どんな花を置けばいいの? そんな方も多いでしょう。

そこで、花の色に注目して、その効能と最適の飾る場所を調べてみました。あくまで一例。ご参考までにどうぞ。

 

  • 玄関

家の顔であり、日々の行き来が多い玄関。人目につく機会も多く、家の印象を方向づける重要な場所でもあります。そんな玄関には、爽やかさを演出し、気分をリフレッシュさせてくれる“白い花”がオススメ。学校や仕事が面倒くさい……お出かけ前のそんな陰鬱な気分を吹き飛ばし、一日の頑張りを後押ししてくれるはずです。

 

  • 洗面所

朝起きて、洗顔してふと鏡を見る。「何か疲れているな」そんな時、ありますよね。それだけでその日のテンションはだだ下がり。“赤い花”を置いて、パワーを貰いましょう。赤は、行動意欲や気力を引き出してくれる色。凹んだ気持ちに喝を入れてくれるはずです。

ただ造花やドライフラワーは避けるのが無難。湿気でカビが発生しちゃいます。ご注意を!

 

  • 寝室

一日の疲れを癒し、心身ともにリセットする大切な寝室。ヒーリングカラーといわれる“紫の花”を置いてみるのはどうでしょうか。パワー色の赤、鎮静色の青、その両方を兼ね備えたのが紫。いいとこ取りで、心のバランスを整えてくれるはず。また、紫の光はDNAの損傷を修復する効果もあるとのこと。疲れた体の回復も促してくれることでしょう。

 

  • リビング

家族が顔を合わせる家の中心。ちょっとした会話や他愛のないやりとりがあるだけで、人生は幸せかもしれません。そんな家族の傍らには“黄色い花”がピッタリ。明るい気分を演出し、コミュニケーション能力を高める効果があると言われています。そういえば、亡き母はよくリビングに黄色い花を飾っていました。そのおかげか、家族仲は良かったなあ。

 

 

何万円もする高価な花である必要はありません。名前を知らなくたって構いません。バラバラの花を花瓶に活けたっていいんです。

花は、ただそこに「ある」だけでも、暮らしの栄養になってくれるもの。

恋人に贈るもよし。家族に買って帰るもよし。もちろん、自分のためでもよし。まずは一輪から初めてみませんか?

 

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