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Vol.25 便利に自由に。ゼロからはじめる書斎作り。

10月は衣替えの季節。まだコートやダウンジャケットには早いですが、ぼちぼちTシャツ一枚でお出かけというわけにもいきません。Tシャツ+何を着るか。シャツかトレーナーか薄手のジャンパーか。出勤前のこの悩みが意外に面倒です。ライターのタラです。

さて、今回はあれこれ考えた末、完全に個人的な趣味100%のテーマとありなりました。おもしろいアイデアを見つけては悦に入り、役立つ情報に触れては感心し、将来役立てようと妄想しながら書きました。ではでは、しばしお時間を頂戴。どうぞ気楽にお付き合いください。


会社の同僚が家を建てるそうです。実家を改装する形ですが、うわものは完全なる注文住宅。そこそこにお金もかかるらしい。

「どこに一番こだわったの?」と尋ねると、「キッチンかな」と同僚。お酒が好きで、友達を呼んでよくホームパーティみたいなことをやるようで、アイランドキッチンにすることを嬉しそうに語っていました。ああ、夢がありますね。

僕がもし家を建てるとしたら、どこに一番こだわるか? それは決まっています。「書斎」です。

 

書斎というと、いささか肩肘を張りすぎでしょうか。今風にいえば、仕事部屋、ワークスペースの方がしっくり来るかもしれません。が、僕としてはやっぱり「書斎」と呼びたい! これは単に物を書く仕事がしたい、という極々個人的な事情のせいかもしれませんが、何というか、憧れなのです。

あの作家は、どんな所で執筆しているのだろう。どんな環境でアイデアを生み、物語を作り出しているのか。いかにもな書斎で書いている人もいれば、意外にパソコン一台あればどこでもという人がいたり、今ならばスマホで執筆するなんて人もいる。そのバリエーションがまた面白かったりするわけです。

 

さて、僕の場合の仕事環境。

自室はもともと祖父が使っていた部屋です。当時僕は東京暮らし。祖父が亡くなり、空室だった部屋に、出戻った僕がおさまった感じです。広いには広い。10畳くらいはありましょうか。ただ、いまいち使いづらいのです。

 

 

だいたい、こんな間取りです。個人的な使いづらさのポイントは、壁面が少ないこと。四面のうち、三面に何かしらがあるのです。そして唯一残った一面には、遺影がかかっています。元々祖父の部屋だったこと。仏壇があることからもお分かりの通り、仏間を兼ねているのです。

ここにベッド、冷蔵庫、本棚、パソコンデスクがあります。もうレイアウトはかなり煩雑。

ちなみに書斎の肝になるパソコンデスクは、クローゼットをひとつ潰して配置しました。ある程度隔離されているので集中できる感覚はあります。パソコン左手の柱がなければ、もう少し巧くスペースを使えそうですが……。

ただ問題は椅子。クローゼットの扉は外していますが、その扉のレールは残っています。そのレールが丁度椅子の下にあるので、動かすたびに椅子のキャスターが引っかかるのです。これが意外にストレス。レールを外すとなると恐らく床を剝がすはめになるので、軽々には手が出せません。いっそキャスターがない椅子の方がいいのかも……。

 

 

さて、自分語りはこれくらいにして、実際の「書斎作り」の実地編と参りましょう。

もしかりに、家を建てる段階で書斎を考えるならば、もちろん自由度の幅は広がります。ある意味、好きなようにスペースを確保し、部屋の場所や形も理想に近いものが作れるでしょう。

しかし、書斎のために家を建て直すなんて非現実的。実際は、今ある家の中で探っていくしかありません。

 

調べてみると、いわゆる家の「デッドスペース」を上手に活用しよう、というアイデアやテクニックが相当数見つかります。つまり、荷物を置くだけになりがちな階段下や、家具を配置しずらい部屋の角、中には踊り場の一角などなど。使っていないのならば、いっそミニ書斎を作ろう、という感じです。

紹介例などを見てみると、スペースに合わせた机や椅子を用いることで違和感なく、しかも書斎の機能としても過不足なし。見た目もオシャレな仕上がりで、まさに今から書斎を作るのに役立つアイデアが多数見つかるはず。

そして何よりもこのパターンの書斎のメリット。これは孤立しすぎないことでしょう。個室を書斎とする場合、居心地が良ければ良いほど、どうしても部屋にこもりがち。一人者ならば構いませんが、家族がいるとそれもよろしくない。「自分だけの空間」が書斎のメリットではありますが、同時にデメリットにもなりかねないのです。しかし、こうしたミニ書斎の場合、ある程度のプライベート感を確保しつつ、家族との時間や空間も共有しやすいわけ。小さいお子さんがいるお宅や新婚さんなどは、特に参考になるテクニックが見つかるかも。

 

 

ただ問題は、やはりそれほど物を置くことができない点。僕の場合、机もさることながら、やはり本棚は必須です。ちなみに現在、四架の本棚がありますが、流石にこれらを置けるデッドスペースはありません。それはもはやデッドしていないスペースです。

ある程度、がっつりした書斎を持ちたいとなると、それが完全なる書斎なのか、寝室その他を兼ねているかの違いはあれど、やはり部屋を確保せざるを得ません。

個室を用意できるとしたら、考えるべきはレイアウトでしょう。使いやすさ、居心地、見栄え、使用目的、動線……。どこに重点を置くのかで、大きく変わります。

やはり一番のポイントは、メインとなる机やデスクの位置。大きく分ければ、「壁につける」か「壁から離す」かの二つでしょう。この違いだけでも部屋の印象はかなり変わります。

僕の場合は、一応「壁につける」状態です。メリットとしては、視界に余計なものが入らず集中できること、壁にメモを貼ったりラックを掛けたり有効活用できること、椅子を引いても後ろに充分にスペースがあることなどがあります。

一方で圧迫感や窮屈さを感じたりする場合も。子供の机などは、逆に壁につけない方が効率が向上する、なんてデータもあるようです。また、人間は本能的に後ろが気になるもの。ドアに背を向けて座ると、人の出入りがあるたびに気になって、落ち着かないと感じる可能性もあります。

 

では「壁から離す」場合はどうでしょう。イメージとしては社長室みたいな感じかな。これは逆に背後には壁があるだけなので気にならず、室内を見渡せるので安心感や解放感を得られます。柱などの位置を気にせず、机そのものの大きさもある程度自由に決められるのも◎。

ということで、僕も一度試したことがあります。確かに動線も良く、机も広々と使えました。しかし、一番の問題はパソコンなどのコード類。どうやっても、何本ものケーブルが机全面からダラッと垂れてしまい、いかんせんみっともない。結局、やめてしまいました。

 

 

何だか、とりとめのない話になってしまいましたね。より良い書斎作りのために、少しでも有用な情報を、と思ったのですが、上手くまとまったのかどうか。まだまだ書きたいことは山ほどありますが、紙面の関係で今日の所はここまで。

 

結局、後付けで書斎を作る以上、完全に理想通りとはいかないかもしれません。メリットがあればデメリットがある。これは飲み込むしかないのでしょう。

自分には何が必要か? どんな形が向いているか? を試行錯誤していくしかありません。書斎が欲しいなと思ったら、身構えず、まずは机と椅子を用意するだけでもいいのです。あれこれ動かしてみて、しっくり来たら、そこが書斎のはじまり。

 

最後に、僕の野望を少々。何度か拙コラムでも書きましたが、我が家には単なる不用品置き場とかしている自称・倉庫があります。ここを書斎しようと目論んでいます。思っているだけでいまだ手つかず。はじめの一歩すら踏み出していませんが、いつかはきっと、と考えています。このコラムが継続している間に、完成した書斎を披露できたらと思っています……が、どうだろう。道は長すぎるのでした。

 

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