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Vol.47 ゼロ時間でアウトドア! 庭BBQのススメ。

部屋の移動は遅々として進まず。とりあえず片付けて、掃除して、床にシートを張って……とあれこれやっていますが、住むまでにはまだまだ時間がかかりそう。新しいパソコンデスクを買うか作るか悩み続けているライターのタラです。

コラムネタに困った時の駆け込み寺のE君。先日飲んだ時に何かネタがないかと振ってみると「そりゃ庭BBQだな」と即答。言われてみれば彼、しょっちゅう家の庭(というか駐車場)でBBQ的なことをやっているなぁ。

ということで、過熱したアウトドアブームもようやく落ち着きつつある昨今、今さら感もややありますが、「庭BBQ」のあれこれを考えてみようと思います。

まあ、僕の家には庭スペースがないんですけどね……。


ある年の12月のことです。その日は某神社が行う冬祭りで、毎年沿道にはさまざまな出店が並び、多くの人で賑わう冬の一大イベント。

僕も学生の頃に何度か行ったことがありますが、夏祭りとは違った趣きがあって、近所の人たちが楽しみにしている素敵な祭りです。

まさにその祭りの当日の朝、先述したE君から電話がありました。

「軽く焼くかね」

暇だったのでしょう。家の駐車場で肉を焼きながら、飲もうという誘いです。

「別に構わんが、今日は祭りじゃないか?」

僕がそんな疑問を口にしたのは、E君の家が出店が並ぶメイン通り沿いにあるから。駐車場で肉を焼くのも酒を飲むのも構いませんが、そんな時にやって平気なのかということが不安だからでした。

「そこら中で出店がなんか焼いているし、大丈夫だろ」

そんな屁理屈を吐きます。ちなみに現場はこんな感じです。↓

 

 

通りは交通規制が入り、多くの客が歩き回り、出店が立ち並んでいます。つまり、その人たちから丸見えの状態。そんな中でオジサン二人が朝から晩酌するわけです。世間の目が気にならないと言えば嘘になりますが、E君はおかまいなし。彼の心は鉄でできているのでしょう。

 

近所のスーパーで肉やら魚やら酒やらを買って、駐車場BBQスタート。

用意したものはE君が持っている小さな焼き台だけ。椅子もテーブルもなしで、地べたに座っての宴会です。

最初こそ周囲の目が気になりましたが、酒が入り酔いが周り始めると、これが思いのほか心地よいのです。あれよあれよと用意した酒がなくなり、途中で買い出しに走るほど。気が付けば二人ともベロベロでした。

朝十時くらいからスタートして、結局終わったのは午後四時くらいでした。馬鹿ですね。

 

 

庭BBQのメリット、それは何といっても手軽さでしょう。

例えばこれがキャンプや河原でのBBQとなったら、朝思いついて実行するのは中々に難しい。まず場所を探さなければならないし、場合によっては予約も必要です。混雑具合では別の場所を検討する必要もあるだろうし……。

そして場所が見つかったら、今度は移動手段も考えねばなりません。お酒を飲むなら車の運転はできないし、ならばハンドルキーパー(お酒を飲まない人)を連れて行く必要があり、メンバー探しもひと苦労。

場所とメンバーが決まったら、道具を車に積んで、行きがてら買い出しをして、現場で準備をして……スタートするまでにかなりの時間と労力が求められます。だから正直、僕はあまりアウトドアが好きじゃなかったりするのです。

しかし、庭BBQはそこらへんの手間暇を全部飛ばせます。

家の庭でやるわけですから、まずは場所選びが不要。と同時に車で移動する必要もないわけで、運転を気にせずお酒を飲めるわけです。

準備と言っても、簡易的な焼き台があればOK。足りないものがあれば、家に戻ればいいのです。使うものが少なければその分片付けも簡単。

確かこの日も、連絡を受けて一時間後くらいにはスタートしたと記憶しています。まあこれはいささか突飛なパターンかもしれませんが、それでも当日計画でも簡単に実現できるのが庭BBQの魅力には違いありません。

 

 

では逆に庭BBQのデメリットは? これはやはり自宅でやる以上、避けては通れない問題である「ご近所トラブル」です。実際、ネットで調べると庭BBQによるご近所トラブルの事例が多数見受けられます。原因は主に「臭い」「煙」「騒音」の三つ。

BBQ自体は自分の家の敷地内でのこととは言え、この三つは敷地無視してダイレクトに周囲に届くもの。あまりに悪質な場合、警察を呼ばれたなんて事例もあるようで、要注意が必要でしょう。

 

BBQにおける臭いと煙は、肉の脂が炭火に落ちることで発生します。キャンプ場などのひらけた場所ならばモクモクと立ち込める煙も、香ばしい肉の焼ける臭いもBBQの醍醐味として大歓迎ですが、庭BBQでは流石にそうもいきません。

もっとも簡単な対策としては、ずばり「炭火を使わない」こと。ホットプレートや鉄板、ガスグリルなどを使うことで、臭いと煙をグッと減らすことができます。気軽にアウトドア気分を楽しみたいだけならば、これでも全然OK。後片付けも簡単ですし。

いやいや、BBQはやっぱり炭火直焼きでしょう、というコアなこだわりがあるならば、「備長炭」を使うのがおすすめ。安物の炭に比べて燃焼時に嫌な臭いがなく、煙も減らせる効果があるそう。

 

 

騒音に関しては、これはもう、人数と時間を考えるしかありません。お酒を飲めば盛り上がるし、酔えば騒ぎたくなる気持ちもわかります。特にBBQは開放的になりがち。しかし、だからと言って、大人数が集まって、早朝や深夜を問わず騒いだら……。考えるまでもありませんよね。

徒歩ゼロ分で気軽に出来るからこそ、ちょっとした気遣いは忘れずに。それが庭BBQに必要な最低限の持ち物なのかもしれません。

 

 

余談ですが、最近弟が唐突にキャンプに凝りだしました。ネット通販で次々にキャンプギアを購入し、あれやこれやと説明してきます。が、タイミングが悪かった。買いはじめたのが昨年10月くらいからで、すぐに冬到来。流石に初心者に冬キャンプは難易度が高く……。でもせっかく買ったから使いたい。そこで弟が考えたのが、庭BBQならぬベランダBBQ。我が家には中屋上みたいなそこそこ広いスペースがあり、そこでキャンプギアを使うことでした。

北側が飲食店、南側は空き家という立地に加えて、3階部分にあるので煙や臭いが多少あっても周囲への影響は少なめ。人通りを気にする必要もなく、中々に快適だったとか。

まあそのスペースに行くのに親の寝室を通らねばならず、実質家の中のようなもの。それならば普通に部屋でやればよくないか? と思ったり思わなかったりしますが……。

 

(※普段は洗濯物を干すスペースとして使っている中屋上スペース)

 

夏が近づけば、キャンプやBBQの機会も増えることと思います。綿密に計画して、大人数でワイワイするのもいいでしょう。しかし、極々個人的な意見を言わせてもらうと、気軽に行けて、気軽に帰れる「庭BBQ」の方が性には合っているな、と。どうせ酒を飲んだら同じだし、と身も蓋もないことを思ってしまうインドア派ライターの僕なのでした。

 

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