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Vol.50 書くだけならタダ。ためにならない?お金の話。

足掛け二年と少々。ついにここまで辿り着きました。祝、連載50回! 途中、調子を崩して間が開いたり、更新ペースがバラバラだったりと反省する点は多々ありますが、「継続は力なり」とも言いますし、無事に50回も続いたことは素直に喜ばしい限り。100回を目指して、フンドシを締め直すライターのタラです。

さて、今回取り上げるテーマは、みんな大好き「お金」の話。記念すべき50回目として相応しいのか疑わしいですが、まあ大切なことですし、お金の知識は知っていて損するものでもありませんから。小難しい話はなるべく抜くつもりです。気軽にお付き合いください。ちなみに儲け話はありませんので、悪しからず……。


先日、友人複数と飲んでいる時、当コラム準レギュラーのE君がこんな質問をしました。

「みんな投資とかやってる?」

E君が投資をやっているのは知っていました。FXがどうだとか、ビットコインが上がっただとか、この株は売りだとか、酒が入ると熱っぽく語ることがあったからです。僕にもよく勧めてきましたが、何の知識もないし、何となく投資は損をするというイメージがあったので、「金がないから」と濁していました。投資なんて、どこか遠い話だ、と。

しかし、みんなの答えを聞いて驚きました。その場にいた友人、大なり小なり、何かしらの投資をしていたのです。専門用語的なものも普通に飛び交い、いつもは適当なことしか言わないE君も真面目なアドバイスをしだす始末。

『取り残されている感』に正直焦りました。投資をやっているという事実もそうですが、何よりもみんなちゃんと「将来を考えている」ということにです。

下世話なことを言えば、みんな僕よりも稼ぎもいいし、恐らく生活水準も高い。家族を養い、家を建て、中には会社を経営している人もいます。それでも(それだからこそ?)自分の資産というものを真面目に考えているということなのでしょうか。

ただ働いて、給料を貰い、生活するだけ。そんな己の将来が無性に不安になりました。

 

後日、そんな話を会社の先輩に打ち明けてみました。その人は、十年以上投資を続けている人で、会社でもよく投資の話してくれます。その先輩からも「やった方がいい」と何度か勧められていたので、少し具体的な話を聞きたいと思ったのです。

ちょうど「新NISA」なるものが始まるタイミング。何となく世間が盛り上がっているのは感じていましたが、実際は良くわかならない。そう伝えると、まあ色々教えてくれて、すったもんだあった末、とりあえず「新NISA」を始めることとなったわけです。ここでは新NISAが何のかは割愛するので、気になる方は各種証券会社のHPなどをご参照あれ。

何はともあれ、投資原人だった僕も現代人に少しだけ進化したのでした。

 

 

ではここからは、ちょっとだけ暮らしに「お得」をプラスする小ネタを少々。

消費税、所得税、住民税、固定資産税、法人税、酒税、たばこ税、ガソリン税、自動車税、ゴルフ場利用税、入浴税……日本には国税・地方税あわせて50種近くの税金があり、日々様々な形で税金を徴収されています。

その過多についてどうこう言うつもりはありません。税は持っていかれるだけでなく、様々な形で還元もされます。壊れた道路や橋を補修するのは税金だし、医療・介護費用の負担も税金。子育て支援や災害時の復旧作業など、暮らしを守り、充実させるには税金は必須です。

しかしこの税金、中々いじわる。

例えば給付金。これは税金が財源なわけで、いわば徴収した税金の還元です。ここ数年はコロナの影響で、多くの給付金が支給されました。「一家に一律〇〇〇円給付」などのニュースを覚えている方もいると思います。賛否はあれど、バラまき系の給付は分かりやすい。話題になれば、みなさんこぞって申請に行くからです。

しかし、実際には僕たちが知らないだけで「申請すれば貰えるお金」というのが、結構存在しているのです。すべての自治体が対象ではないので注意が必要ですが、いくつかご紹介しましょう。

 

  • 墓地墓石撤去費用助成金

「墓じまい」をした際におりる補助金です。少子化や核家族化の進む現代では、お墓をやめる人も増えているそうで、その撤去費用として20万円ほど給付されます。

 

  • チャイルドシート購入助成金

その名の通り、チャイルドシートを買ったら貰える給付金です。僕には当面縁がないお金ですが、10,000円前後貰えるようです。

 

  • 宅配ボックス購入助成金

配達員の強い味方、宅配ボックス。それを購入、設置するのためのお金も申請すれば貰えます。\15,000也。これは正直、もっと普及してほしい助成金です。

 

  • スズメバチ駆除補助金

野生生物において、もっとも人を殺めているとも言われるスズメバチ。巣の駆除にかかる費用も申請すればおります。補助金を貰って、専門家に頼みましょう。

 

  • 禁煙助成金

こんなことにもお金を出してくれるのですね。禁煙しようかな。しかしこれ、自己申告になると思うのだけど、どうやって審査するのでしょう。謎です。

 

  • 就学援助制度

例えばランドセルを購入したら5万円ほど貰えるそうです。僕は子供がいないので知りませんでしたが、子育て世代では常識の制度なのでしょうか?

 

  • 同窓会補助金

これも驚き、同窓会をひらくと一人一律2,000円が貰える補助金。まあ2,000円では一瞬で溶けてしまいますが……。まさに貰えるならば貰っておこうの、お金です。

 

  • 防犯対策補助金制度

奇しくも前回取り上げた「防犯」に関する補助金。例えばドアの鍵を取り替える等、防犯対策を施した場合に貰えるお金です。大切なことですし、もっと知れ渡って欲しい所です。

 

いかがでしょうか。「え、そんなことでお金貰えるの?」という事案が多いように思います。自治体がもっと広報してくれると助かるのですが、まあそこらへんはお金のことですし、必要だと思ったら自分で色々調べてみよう……ということなのでしょう。改めて断っておきますが、これらは全ての自治体で実施されているわけではありません。どんな補助金があるのかは、お住まいの市町村のHPをご確認いただくか、お問い合わせくださいませ。

 

 

さて、お次は経済雑学の時間です。

ニュースなどでよく見聞きすることが多い「インフレ」と「デフレ」。結局のところ、何のことで、どうなればいいのでしょうか。

日本は長年デフレ状態が続いており、2022年ころから少しずつインフレ傾向に向きつつある……なんて言われていますが、日々感じるのは露骨な物価上昇のみ。インフレになることは本当に良いことなのか、そんな疑問を感じなくもありません。

 

端的に言えば、インフレとデフレとは、物価の上下落と通過価値の関係(あくまでざっくり言えば、です)

例えば、ジュース一本100円だったのが、翌日は150円になるような状況がインフレ。好景気になればインフレが起こりやすくなると言われています。

構造としては、物価があがる→企業の売上UP→従業員の給与UP→購買意欲UPの循環で景気が好転するということ。しかし、物価の上昇率に対して、僕たちが貰える給与の上昇率が上回らなければ、ただただ生活が苦しくなるだけです。

物価が上がったから好景気で、インフレ状態……といった簡単な話でもないのです。

ジュース側にしてみれば100円から150円へと50円分価値があがったわけですが、通過側からすれば100円の価値が下がったと見ることもできます。分かりづらい、かな?

 

10円20円の物価上昇だと「また値上げした」みたいな感想を抱くに留まってしまいがちですが、今日100円だったモノが明日には1000円、明後日には2000円、三日後には4000円みたいな異常な加速度を持って物価上昇を続けたとしたら? その行きつく先にあるのが、ハイパーインフレという状態です。

「そんなペースで物価があがることなんてあり得ない」と思われるでしょうが、歴史を見ればにわかには信じがたいハイパーインフレが発生しているのも事実。

 

 

見慣れない外国紙幣。これは戦後にハンガリーで発行され、実際に流通したペンゲーという紙幣で、額面はなんと1垓(10の20乗)。??? 1の後ろに21個0が続く、途方もない高額紙幣なのです。

何故にこんな紙幣が生まれてしまったのか。すべては加速度的なインフレが原因。某資料によると、1945年7月に3ペンゲーだった郵便料金が、一年後には驚愕の40兆ペンゲーに達し、そのインフレ率は実に96𥝱(96×10の24乗)%にも及んだそう。

もう桁が大きすぎて1ミリも理解が追い付きません。参考までに、この1垓ペンゲー、当時レートでUSドルに換算するとたった0.2ドルだったそうです。当時の1ドルは15円程度だったようなので、日本円で3円くらいでしょうか。もう意味不明です。

 

通過価値というのは、普段生活していると案外ピンとこないもの。過去にハイパーインフレが起こった国では、小額紙幣はゴミとして捨てられていた、なんてエピソードもあります。現在の日本の貨幣価値にしてみれば、1000円を道に捨てる人はいません。しかし、仮に戦後ハンガリーのようなハイパーインフレが起こり、ジュース一本が40兆円になったら、1000円札が400億枚必要になり、そうなると1000円札は多分紙屑になるでしょう。

その昔、ジンバブエに行ったことのある人から聞いた話。当時のジンバブエもハイパーインフレの真っ只中だったそう。とりあえず円をジンバブエ・ドルに交換したら、鞄に入りきらないほどの紙幣を渡されたというのです。調べたところ、当時の1ジンバブエ・ドルは約0.0000000000086円前後。え、いくら? 多分100円が1200億ジンバブエ・ドルくらいかな。

そんな大量の札束を持って歩くのは怖いな、と思ったそうですが、見渡すとみんな大量の札束を抱えて買い物をしていたそうです。日本人感覚で言えば、大量の札束を手にしたらお金持ちになった気分にはなれる、かなぁ……。まあいささか極端な話ですが。

 

 

 

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