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Vol.58 事件は地元で起きている? 静岡が舞台の小説4選。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。部屋が寒すぎて、春の到来が待ち遠しいライターのタラです。

今回は、完全なる趣味にして、大好評企画(?)の小説紹介第7弾! ここまで続けるとテーマを考えるのも中々に難儀するのですが、そこは脳内をフル回転させて絞りだしました。ということで、今回は我が町、静岡が舞台となっている小説をご紹介。これが実はかなり多く、しかも直接的な名称も出てくるので、静岡人ならば馴染みのある場所がきっとあるはず。知っている場所だから想像もしやすいですしね。それでは、静岡小説巡り、行ってみよう!


 

1『イニシエーション・ラブ」乾くるみ

 

 

<あらすじ>

飲み会で知り合ったマユと仲良くなり、やがて恋に落ちた鈴木。二人は甘く、ときにほろ苦い時間を刻みながらその関係を深めていく。学生から社会人へ。大人になる直前の青春を描いた傑作恋愛小説……というのが外側の話。しかし物語は、第二章で全く異なる一面を見せる。絶対二回読みたくなる!と数々の著名人も太鼓判を推した傑作恋愛ミステリー。

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近年、もっとも話題となった「静岡」小説といえば、当作品でしょう。舞台は合併前の旧静岡市。青葉公園や懐かしの新静岡センター、流通通りや柚木の自動車学校(場所的に恐らく静岡県自動車学校・静岡校のこと)が登場します。

この作品は静岡云々さておいて、単純に読み終えた後の衝撃が強め。頭に「???」が浮かぶこと間違いなし。静岡人はもちろん、静岡人ならずとも必読の一冊です

 

2『ハルチカシリーズ』初野晴

 

 

<あらすじ>

廃部寸前の吹奏楽部に所属する穂村千夏と上条春太。コンクール出場を目指して日夜練習に励む中、校内で不可解な事件が発生する。千夏の度胸と体力&春太の頭脳を駆使して、学校を騒がす謎を解決すべく奔走するが……。謎あり熱血あり恋愛ありの、爽やかな日常系青春ミステリー。

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アニメ化&実写映画化もしている本作。原作の舞台はずばり清水南高校。筆者の母校だそうで。清水駅前~三保周辺まで、様々な場所名所が登場します。アニメでは実際の清水の街並みをモデルにして描かれているので、馴染みの景色が発見できるはず。もちろん、清水だけでなく静岡の街も出てくるので、聖地巡礼などしてみては?

 

3『リライト』法条遥

 

 

<あらすじ>

300年後の未来からやってきたという少年。時間移動を可能にする薬。校舎の崩落事故。変わらないはずの過去……。目まぐるしく展開する事件に、美雪は事故に巻き込まれた少年を救うために、10年後へとタイムスリップすることを決意する。10年の月日が流れ、ついにあの日少女がタイムスリップをした日が訪れる。しかし、来るべきはずの10年前の自分はやってこなかった。何故……? もしかして、誰かが過去を書き換えた?

史上最悪のタイムパラドックス小説と名高いSFの傑作。あの時、一体何が起きたのか?

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タイムトラベルがベースになっているSF小説ですが、過去に戻る・未来へ行くと行った単純な時間移動ではないのがこの物語の肝。俗に言う、タイムパラドックスが引き起こす矛盾に翻弄される登場人物、そして読者たち。一回読んだけでは「?」と理解が追い付かないほど、複雑な流れになっています。舞台は、藤枝市岡部町周辺。本作も筆者が静岡出身で、別作品のバイロケーションも舞台は静岡です。

今年夏には映画化もするので、気になる方は原作同様チェックしてみては?

 

4『レプリカだって、恋をする。』榛名丼

 

 

<あらすじ>

オリジナルの身代わりに、面倒くさいこと、億劫なことを引き受けるために生まれた分身体(レプリカ)。オリジナルの役に立つためだけに存在しているはずなのに、ある日彼女は恋に落ちる。

オリジナルが求めなければ自由に出歩くことも、明日の予定を立てることもできない。しかし、恋心に突き動かされるままに、明日も明後日もその先も、会う約束をする。空っぽだったレプリカが経験する、切なくて、ちょっと不思議なラブストーリー。

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主な舞台は用宗ですが、日本平動物園や掛川花鳥園、浜名湖パルパルなどなど、静岡県内の各所が印象的に描かれています。

個人的な感覚ですが、ラブストーリー×SFはハズレないな、と。単なる恋愛モノにSFという石を放り込むことで、物語があり得ない方向に転がり、思わぬ結末が生まれるわけです。本作もレプリカという存在が恋をするというSF的要素が最大の魅力であり、物語の鍵。この恋の行方がどうなるか、ページを繰る手は止まらないはず。

 

 

今回紹介した以外にも、静岡が舞台の小説はたくさんあります。考えてみれば、川端康成の代表作「伊豆の踊子」はそのものずばり伊豆が舞台の物語ですし、尾崎紅葉の「金色夜叉」は熱海を舞台とし、この作品の人気で熱海が一躍脚光を浴びることになったとも言われています。

そして小説ではありませんが、今や国民的アニメにまでなった「ちびまる子ちゃん」は我が町・清水が舞台の漫画です。

普段、小説をあまり読まないと言う人でも、地元が舞台ならば入りやすいのでは?

 

嗚呼、自分もいつかは地元を舞台とした物語を書いてみたいなぁ。

 

 

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