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Vol.46 灯り一つで暮らしが変わる? 照明効果を証明する。

苦手な冬が終わり、やっと過ごしやすい春到来。とは言え、人によっては花粉シーズンということで春先が辛いという人も多いようで。奇跡的に花粉症とは無縁の人生を歩んできたライターのタラです。

さて、今回は季節感は皆無、年がら年中暮らしとともにある照明のお話。以前、某テレビ局で音声・照明の仕事をしていたこともあって、多少は照明の大切さを知っているつもり。パソコンデスクの照明も眩しすぎず、とは言え暗すぎず、あまり影が入らないように、設置場所をあれこれ考えました。まあ使っているのは安いクリップライトですが。

ということで、穴ぼこだらけにはなりますが、照明講座、行ってみよう!


現在進行中で、部屋の引っ越しを考えています。何度か書いてきましたが、我が家はおもちゃ屋。一階が店舗、二~三階が居住スペースとなっており、僕が今使っているのは二階の一番奥に位置する部屋。元々は祖父が使っていた部屋で、仏間を兼ねているトリッキーな部屋でもあります。

そして引っ越し先に考えているのは、今の部屋の真下、元々は店の事務所にする予定だった部屋。が、紆余曲折あって、現在は単なる物置。ゴミの山です。そこを掃除、改造して自室にしようと、アレコレやり始めています。そちらの模様は、別途コラムで紹介できればと考えているので、その際はどうぞよろしくお願います。

さて、その部屋。居住スペースとして作られていないせいか、いくつかの難点があります。中でも改造するならば大がかりになりそうなのが「照明器具」です。

今の部屋はいわゆるシーリングライトという天井に直接据え付けるタイプ。リモコンで調光できて、その便利さに日々打ち震えているわけです。

 

 

ですが、照明を取りつけるための土台となる装置(引っ掛けシーリング)があり、型が合えば吊り下げ型からシーリングライトへの交換は大規模な工事は必要ありません。配線をいじる必要が生じると専門家に頼む必要がありますが、基本はカチッとはめるだけなので、さほど難しくはないはずです。

ですが、引っ越し予定先の部屋。こんな照明なのです。

 

 

むき出しの直管蛍光灯が二基。天井に直接設置されています。

そして何故か室内に照明のスイッチがないのです。部屋に入るドアの脇に設置されていました。つまり、電気を付けたり消したりするのにいちいち部屋を出なければならないのです。これは面倒くさい。

恐らくこのタイプの照明器具をリモコン付きのシーリングライトへ交換するとなると工事が必須。下手をすれば天井を一度剥がすレベルの工事が必要かもしれません。素人が手を出していいものでもなさそうだし。

なるべくお金をかけないで部屋を移動するのが大前提なので悩みどころです。今のところ、フロアライトで対応しようかと考えていますが……。

照明の話なのにいきなり照明をケチろうとしていて心苦しい限りです。

(ちなみに直管型蛍光灯でも天井に直接取り付けるタイプはシーリングライトと呼ぶようです)

 

 

さて気を取り直して。

部屋をぐるっと見回してみてください。部屋で、どんな照明器具を使っていますか?

もっともオーソドックスな丸型のシーリングライト?

デザインにこだわった吊り下げ型ライト?

雰囲気重視でスポットライト?

いえいえ、もっと豪奢にシャンデリア?

 

使う部屋や用途によっても異なりますが、室内で使う照明器具は大きく分けて9種類あると言われています。

 

 

それぞれの主な特長と役割は……

①シャンデリア

豪華な装飾が施されている照明器具。装飾に光が反射して、きらめき感のある明かりが作れる。吹き抜け空間やリビングなどで使用されることが多い

 

②スポットライト

壁や天井など、室内の一部を照らすのに適した照明。指向性のある光なので、絵画やインテリア雑貨を照らすことで、空間のアクセントを演出できる。

間接照明としても有効で、部屋を選ばない用途の広さが特長

 

③ダウンライト

天井埋め込み型の照明器具。天井がフラットな状態になるため、空間をすっきり見せる効果がある。照らす範囲は限定的で、広い部屋で使われる際は複数設置される場合もある。主に玄関や廊下、階段などで使用されることが多い

 

④ペンダントライト

天井から吊り下げるタイプの照明器具。天井より低い位置に光源がくるので、部屋全体というよりもテーブルなどを限定的に照らすのに適している。また単なる光源としてだけでなく、空間に吊り下げるため、器具そのもののデザインやサイズも豊富。ダイニングなどでアクセントとして用いられる

 

⑤シーリングライト

天井に直接取り付けるタイプの照明器具。部屋全体を照らすことができるため、メイン照明として使われる。一般家庭にもっとも普及している照明器具。調光機能やタイマーなどもあるため、リビングだけでなく寝室や子供部屋でも使われる

 

⑥ブラケットライト

壁や柱などに設置する照明器具。部屋のインテリアに合わせて選べるデザインの豊富さが魅力。

天井に比べて光源は限定的なので、アクセントとして使われることがほとんど。階段や勝手口でよく使われるほか、外壁や玄関先など、屋外で設置されるなど用途は広い

 

⑦テーブルライト

卓上型の照明器具。コンセントが届く範囲ならばどんな場所にでも設置できるため、手元灯として実用性が高い。また、照明器具の中でももっともデザインが豊富であり、インテリアのアクセントとしての需要も高い

 

⑧フロアライト(スタンドライト)

部屋のコーナーやテーブルサイド、ベッドサイドなど、床に直接置くタイプの照明器具。移動と配置の自由度が高く、天井照明ではフォローしきれない箇所を局所的に照らすことが可能。またデザインも豊富なため、消灯している時でもインテリアとしても重宝する

 

⑨フットライト

床近くに設置し、足元を照らすための照明器具。就寝後など、主に夜歩く際の安全用に用いられることがほとんど。常夜灯の他、夜になると自動点灯するタイプや人が近づくと点灯するセンサータイプがあり、インテリアというよりも実用面に特化している

 

 

ベースとなるメイン照明+局所的に照らすアクセント照明を組み合わせるのがオーソドックスなパターンでしょうか。

僕の場合で言えば、丸型の調光できるシーリングライトがメイン照明、読書用にベッドサイドに置いてあるテーブルライトと、パソコンデスクを照らすスポットライトがアクセント照明という感じ。まあテーブルライトは読書時にしか点けないので、アクセントというよりは実用性一点突破ではありますが……。

 

 

しかし実際、照明でどれだけ印象は変わるのでしょうか?

少しだけ実例で検証してみましょう。

以下は僕のパソコンデスクを「両方点灯」「メインライトのみ」「スポットライトのみ」「全消灯」の4パターンで撮影した写真です。どの写真がどの状態かわかりますか?

 

 

答えは①全消灯、②メインライトのみ、③スポットライトのみ、④両方点灯、です。

基本、パソコンを使うときは両方点灯している状態にしています。当初、スポットライトはありませんでした。しかし、机で何かを書こうとした時、異常に手元が暗かったのです。それがストレスになり、余っていたクリップライトを急遽設置することに。しかし、直接光源が目に入ると逆に眩しすぎた! そこで壁側を照らし、その反射光で手元を照らすようにしましたいわゆる間接照明です。

真っ暗で作業することもできなくはありませんが、そうするとモニターの光が強すぎて目が疲れます。同じことはスポットライトだけ点灯する場合も同様。

雰囲気も大事ですが、パソコンを使うなどデスクワークの際は、蛍光灯の青白い光が最適だと言われています。

ただ明るければいい、雰囲気が出ればいいというだけではなく、照明もやはりケースバイケースで使い分けるのがコツかもしれません。

 

 

照明講座と銘打った手前、ちょっとだけテクニカルな話を。

僕が先述したテレビ局で照明の仕事をしていた時に、先輩に教えられたことをご紹介しましょう。

とある静物を撮影した時です。カメラマンに照明をセッティングしおいてと言われ、スコスコと照明セットを組み立てました。完全なる素人だった僕は、対象物を直接照らしました。近づけたり、遠ざけたり、何となく「やっている風」です。

そこに先輩がやってきました。

「照明は近い遠いじゃない。何個の照明を、どこから照らすかだよ」

そう言って、新たに照明器具を2セット持ってきました。

「どこから照らせばどんな風に影ができるかも大事だから」

僕が組み立てたノッペリした照明が、みるみると立体的になり、陰影のコントラストが浮き出て、存在感がグッと生まれたのです。「あ、テレビでよく見る感じだ」と思わず写真を撮ってしまいました。

カメラマンが来て、「お、いい感じじゃん」と褒められました。ほぼ先輩が組み上げたとはついぞ言えませんでした。

 

照明で部屋の雰囲気を変えたい、と考えたとき、もっともやりがちなのが丸型シーリングライトをペンダントライトにすることだそうです。器具そのもののデザインでもちろん雰囲気は変わりますが、天井付近から数十センチ光源が近くなるだけで、照明効果としては大きな違いは実は生まれません。

むしろ、スポットライトを付けて壁を照らしたり、フロアライトを置いて別の場所に光源を作る方が照明の違いは明確に感じられるかと思います。

部屋がどうにもあっさりしているな、と感じたら、まずは一灯をプラスすることから始めてみては? あちこち当ててみたら、案外スッと馴染む明かりが見つかるかもしれません。

 

……といっちょ前のことを書きつつ、新しい部屋の照明の残念さ加減に頭を悩ますのでした。電気工事の資格持っている友達、いたかなぁ。

 

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