雨漏りはなぜ見つけにくくなったのか?
今回は「雨漏り」についてのお話です。
家づくりにおいて、
雨漏りはできれば起きてほしくない不具合です。
ただ、長く建物を使っていく中では、
ゼロにすることが難しいのも事実です。
だからこそ大切なのは、
雨漏りを起こさない工夫と同時に、
起きたときに早く気づけること。
この視点がとても重要だと考えています。
目次
【 昔の家は「すぐ分かった」 】
昔の住宅では、
・天井にシミができる
・ポタポタと音がする
など、雨漏りは比較的すぐに気づくことができました。
もちろん不具合ではありますが、
見方を変えると
早期発見しやすい構造でもありました。
雨水は比較的ストレートに室内へ現れ、
「異変」として認識しやすかったのです。
【 今の住宅は雨漏りが見えない 】
現在の住宅は、
・高断熱
・高気密
・多層構造
となっています。
屋根や壁、天井には
・断熱材
・気密シート
・防湿層
などが組み合わさっています。
これは非常に良い進化です。
しかし同時に、
雨漏りが見えにくくなる構造
でもあります。
【 なぜ見えなくなるのか・・ 】
屋根から侵入した水は、
・断熱材に吸収される
・シートで止まる
・内部で移動する
といった動きをします。
その結果、
すぐに室内に現れず、
・濡れては乾く
・少しずつ蓄積する
という状態が起きます。
【 気づいたときには遅いこともある 】
雨漏りの怖さは、
発見が遅れること
です。
時間が経つことで
・木材の腐朽
・カビの発生
・シロアリ被害
へとつながる可能性があります。
さらに進むと、
構造体の交換が必要になるケースもあります。
【 水は想像以上に動く 】
ここで一つ大事なことがあります。
それは
水は思っている以上に動くということです。
雨が入った場所と、
室内にシミが出る場所は一致しません。
場合によっては
2〜3メートル以上離れた場所に症状が出る
こともあります。
そのため、
表面のシミだけを見ても
原因特定が難しくなります。
【 雨漏りはどこで確認するのか・・・? 】
ここがとても重要なポイントです。
家づくりを考えるとき、
ぜひ聞いていただきたいことがあります。
「雨漏りはどこで確認するんですか?」
この質問に対する答えで、
・設計の考え方
・防水の思想
・現場の理解度
が見えてきます。
【 二重の防水ラインという考え方 】
ほんの一例ですが、
防水ラインを複数持たせるという考え方もあります。
万が一、水が入った場合でも、
室内に影響が出る前に止めるためです。
一般的には、
屋根仕上げ(瓦やガルバ)の下に
防水シートがあります。
しかし実際には、
仕上げ材で雨漏りしている場合、
その下の防水シートも同時に破れているケースが多いです。
そのため、
さらに内側にもう一つ
防水ライン(一次防水)
を設ける構成を考えます。
【 水の出口を設計する 】
さらに重要なのは、
水の流れを設計すること
です。
水が入らないことだけでなく、
入った場合に
・どこを通り
・どこに抜けるか
を考える。
例えば、
屋根 → 壁 → 基礎付近へと
連続した防水ラインをつくることで、
水の動きをコントロールし、
点検できる状態にします。
【 点検できる構造が大切 】
防水は「止める」だけでなく、
確認できること
も重要です。
・どこで確認できるのか
・異常をどう見つけるのか
これが考えられているかどうかで、
建物の安心感は大きく変わります。
【 見せかけの性能ではなく本質へ 】
気密や断熱と同じように、
防水もまた
数値では見えにくい性能
です。
そして、
表面的に良く見せることはできても、
本質的に良くすることは難しい。
防水は、
・納まり
・素材
・施工
・他部材との関係
すべてが関わる領域です。
一つの要素だけでは成立しません。
【 最後に・・・ 】
雨漏りは、
起きないことが理想です。
しかしそれ以上に大切なのは、
起きたときにどうなるか
です。
家づくりを考えるとき、
ぜひ一度、
「雨漏りはどこで確認するんですか?」
と聞いてみてください。
その答えに、
つくり手の考え方が表れます。