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Vol.44 ムシするわけにはいかない! 家vs.虫の仁義なき戦い。

少しずつですが、物置となっている家の某スペースを片付け始めました。いずれは部屋をそこへ移し、書斎にしようかと考え中。そして、その大移動の様子は不定期にて当ホームページでも紹介していく予定です。乞うご期待! とは言え、物置の不要物のあまりの多さに心折れそうになっているライターのタラです。

久しく姿を見ておらず、安心していたところに「ヤツ」が出ました。みんな大嫌いな黒い、あいつ、ゴキブリです。どこから入り込んできたのやら。当然、処すまで寝るわけにもいかず、殺虫剤を噴射、弱ったところを丸めた新聞紙でピシャリッ。何とか処理できましたが、何でしょう。姿を見かけたときのあの嫌悪感は……。生理的というか根源的にゾッとするんですよね。

ということで、今回は家にまつわる虫の話。苦手な人も多いかと思いますが、どうぞお付き合いくださいませ~。


小学校低学年か、あるいは幼稚園児のころだったでしょうか。当時の我が家は元々あった家屋に増築増築を繰り返し、一階が店舗だったこともあって、いささか不思議な造りでした。ざっくり説明すると、一階は店舗と家族が揃う居間、旧二階に祖父母の部屋、二階は倉庫と使っていないリビング、三階に父母と僕と弟が住まう、というよく分からない家の使い方をしていたのです。

旧家屋部分は多くが木造で、まあ当然古いし汚い。ネズミなんかもよく出没しており、その都度肝っ玉だった祖母が退治しておりました。

ある早朝のこと。僕は尿意を覚えて、旧家屋部にあったトイレへと向かいました。家の中なのに土足に履き替え、薄暗い台所を抜けた先に上がり框があり、トイレはその脇にありました。その時、蚊のような蠅のような物体が数匹、ブンブンと飛んでいました。その程度の虫は日常茶飯事だったので気にも留めず、用を足しました。

終えて部屋へ戻ろうとすると、謎の飛行物体の数が増えていることに気が付きました。ブンブンという音に交じって、もっと気色悪い複数の羽音もします。

その時、祖母が自室から下りてきました。目ざとく飛行物体を叩き潰し、

「これ、蠅でも蚊でもないね。こりゃ、羽蟻だ。どこから入ったんだろう……」

と周囲を見渡します。祖母の視線がとある一点で止まりました。それは廊下に設置してあった蛍光灯です。僕も恐るおそるその視線を追いました。その瞬間、悪寒が走りました。

蛍光灯が見えなくなるくらい、ビッシリと羽蟻が密集していたのです。全身に鳥肌が立ちました。

怯えている僕に、祖母は「店に殺虫剤があるから持ってきな。あと箒とちりとりも」と指示しました。

蛍光灯の下にちりとりを置くと、僕に離れているように言い、羽蟻の大群に向かって殺虫剤を噴射。ボトボトと力尽きて落下していく羽蟻たち。ちりとりがみるみる真っ黒になっていきます。その様は子供の僕に恐怖を植え付けるには充分過ぎました。

恐らくこの時の出来事があったからでしょう。僕は虫が苦手になったし、何かが密集している状況を見るとゾッとします(恐らく集合体恐怖症的な何かでしょう)。

 

 

以前、友人のE君がタランチュラを飼っているという話を紹介しましたが、蜘蛛も家によく出る虫の一つでしょう。この原稿を書いている時も、壁を小さなハエトリグモガが闊歩していました。タランチュラみたいな種は論外としても、普段家に出る蜘蛛のほとんどは無害な種類。それどころか益虫として役立つことも。

その理由は何といっても「他の虫を食べる」こと。ゴキブリやハエ、蚊やダニなど害虫を捕えて、餌にします。

特に徘徊型の蜘蛛としては最大種と言われるアシダカグモは最強のハンター。家で見かけたくない虫No.1のクロゴキブリを待ち伏せて、捕食します。流石にここでは掲載しませんが、動画サイトなどで「アシダカグモvsゴキブリ」と検索すれば、多くの検証動画がUPされています。怖いもの見たさで気になる方は、是非。

とは言え、小さなハエトリグモ程度ならばやり過ごせますが、アシダカグモとなると脚を伸ばせば10~15cmになり、無害だとは言え気持ちはよくありません。壁を歩いていたら、落ち着きません。それに裏を返せば、アシダカグモが出るということは、餌となる害虫がいるということでもあります。何にせよ、家に虫は出ないに越したことはないわけです。

 

ちなみに蜘蛛の小噺を一つ。

日本に古くから伝わる迷信に「朝の蜘蛛は親の仇でも殺すな、夜の蜘蛛は親でも殺せ」という言葉があります。理由は多々あるようですが、僕も子供ころ祖母に何度も言われたことを覚えています。先述した通り、蜘蛛は害虫を食べてくれるので大事にせよということと、朝から蜘蛛が出る日は「晴れる」ということが関係しているようです。

夜の蜘蛛に関しては、恐らく電灯などが発達していなかった時代、暗い場所に蜘蛛の巣を張られると危険だから、というのがあったようです(諸説ありますが)。

一方、同じ夜の蜘蛛でも諸外国では扱いが違います。

フランスやドイツでは希望を持ってきてくれる存在として、どちらかと言えば喜ばれるそう。また、アメリカでは蜘蛛の巣が悪夢を絡めとってくれるモノと言われています。

見た目の不気味さはさておき、他の虫に比べれば人の生活に大いに役立ってくれる蜘蛛。見つけたらむやみな殺生をせず、そっと窓から逃がしてあげるのが吉かもしれません。

 

 

虫が出ない家にするには、何よりもまず家を清潔に保つことです。生ゴミを放置すればそれを餌とする虫が寄ってくるのは必然。また水気にも注意が必要。ガーデニングで植物を育ている場合、無駄に水たまりがあるとそこに蚊が卵を生みつける可能性が……。余剰な水気は処理するのがベターです。

また、照明をLEDに変えるというのも有効。我が家の羽蟻事件もそうですが、確かに街灯などに虫が集まっている場面をよく見かけます。それは、虫が光に含まれる紫外線に反応し、集まる習性があるためです。一方、LEDライトには紫外線が含まれないため、虫が集まりにくいとのこと。外に面した照明などはLEDライトに変えるもの良いかもしれません。

 

ニオイで虫の侵入を防止する方法もおすすめです。防虫スプレーを散布するもの有効ですし、アロマを焚くのも手。

特にハーブ系はゴキブリが嫌うニオイの代表例。いくつかご紹介します。

まずはミント系。爽快感あるニオイはリフレッシュ効果を与えてくれますが、ゴキブリはこのニオイが苦手だそう。玄関や窓、換気扇などに吹きかけると侵入防止になります。

シソ科植物のニオイもゴキブリ除けに効くそうです。スパイス系のハーブに含まれる成分で、アロマでも人気なので、台所や洗面所で焚けば効果的。

 

逆にハーブと言っても、ゴキブリが好むニオイもあるので注意が必要! 最後にそちらをご紹介しておきます。

ゴキブリが好きなハーブ。それはずばり「甘い」ニオイを放つモノです。お菓子作りなどで使うバニラビーンズやアニスなどが代表。ほのかに甘いニオイはアロマでも人気なので、部屋で使っている人もいるのでは? ちなみに僕も以前使っていたのはバニラ系のアロマでした。もし部屋にゴキブリが出るようならば変えてみては?

バニラビーンズやアニスを調理に使う場合は、しっかりと蓋を閉め、ニオイが漏れないように保存しましょう。通気性の良い場所に置いて、ニオイがこもらないようにするのも大事です。

 

 

僕らが暮らす地球には170万種以上の生物がいると言われています。その内、約100万種は昆虫。全生物の内、6割が昆虫なのです。僕らの生活に虫がいるのはある種仕方のないことかもしれません。

また、もし地球上から虫がいなくなったら、人間も絶滅するなんて怖すぎる研究データもあるようで、気持ち悪い、怖いからと言って、虫を駆除しまくればいいわけでもないのかなぁと思ったり、思わなかったり……。

人と虫。お互いの生活圏、生態系を邪魔しないように上手に付き合っていくのが大切なのかもしれませんね。

 

 

 

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