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自然素材のよさとは・・・?

先日、県内の浜松方面へ建築巡りをしてきました。

 

建築家 藤森照信氏による設計の美術館です。

 

藤森照信氏の建築は自然素材をふんだんに使った建物として有名で

ずっと前から見学したいと思っていました。

 

県内にも藤森氏の建築があるということで今回は2つの建築を巡ることに。

 

 

先ずは、『ねむの木こども美術館』

 

 

掛川の自然豊かな地域に周辺環境に溶け込んだとても魅力的な建築で

屋根の棟の部分には植栽が施されていて隣の山の自然と繋がっているような

雰囲気となっています。

 

 

自然との一体感がとっても魅力的。

素材感や形などどことなくジブリ映画の世界をイメージできる建物です。

 

 

写真で見ただけでも素晴らしさがわかりますが

実際に現地で見ているとじっとその場に佇んでいたくなります。

時間がゆっくりと流れていくような感覚も・・・。

 

この建物、素材としては壁はコテむらをつけた塗壁、

屋根は銅板一枚一枚シワのような模様をつけてあり

一見茅葺や柿葺(板葺)のような表現になっています。

 

建具は無垢の木にアイアン(鉄)の金物が施された意匠。

この建具の木にはちょうなと呼ばれる古式の大工道具の

刃物のような跡の模様がついていて木の表情を引き出しています。

 

 

内部展示室の床ももちろん無垢

残念ながら内部の写真撮影は禁止でした。

 

床板の張り方が特徴的で朝鮮貼りと呼ばれる納め方です。

床材は広葉樹(タモのような・・・)でした。

 

 

展示スペースにもストーリーを感じさせるような

内部の仕上げになっており展示空間を進むにつれて

格をあげているようなイメージを持ちました。

メインの空間は真っ白な空間に窓からさす光によって

なんとも言えない空間になっています。

 

神聖な教会にいるような感覚にもなりました。

 

展示されている絵もとても魅力的なものがいっぱいあります。

 

 

次に訪れたのは 『秋野不矩美術館』

 

 

こちらは浜松の天龍にある美術館。

駐車場からの道中には季節外れの桜が咲いてました。

 

 

美術館に行くまでにはこんなものも。

 

 

『望矩楼』という茶室です。

こちらの外壁は『ねむの木こども美術館』での屋根に使われていたような銅板。

松ぼっくりのような表情にも見えますね。

 

これまでの経験からの表面的にこちらを茶室と紹介されると

驚きが大きかったですが、「自然」「素材」などの項目に注目していくと

関係してくるところもあり、もっと深く考えてみたくなりました。

 

美術館の方はというと、こちらもやはり自然素材がたっぷり。

 

 

屋根は石張り。内部には古材の梁があらわしになっていて

日本の古民家を感じさせるような空間もありました。

 

 

壁の塗壁には土壁に使う藁のようなものが浮き出ている仕上げに。

この藁のようなものの見せ方(多い少ない)によって空間のイメージに変化をつけたり

展示美術品とのバランスも取っているように感じました。

 

外部には板張りが用いられていて1997年竣工ということもあり色々なところで

経年変化が見られなんとも言えない表情になっていました。

 

「経年変化」

 

木や土など自然素材は年月を重ねるごとにどんどんと深みが増していき

味わい深くなっていきます。そんなところから

 

『経年美化』

 

と、表現した方がいいと思っています。

 

 

所々、『ねむの木こども美術館』で見られる表現などもあり

こちらでも素材、空間の素晴らしさを体感できました。

 

自然素材の建物は

・ 目で仕上げの表情を楽しめ

・ 木や土、植木や花のにおいを感じ

・ 手すりや建具、床などの肌に触れる部分では優しさを感じ

体の色々な感覚で良さを感じることができます。

 

森や湖、林の中の施設や神社仏閣などのパワースポットなどでマイナスイオンや

癒しを感じられるところに惹かれていくのと同じ感覚だと思います。

 

建材ではそうはいきませんね。

 

私どもが家づくりにおいてサイディングや表面プリントなどの建材を使わないのは

耐久性の懸念もありますが感覚的な部分で思うところも大いにあるからです。

 

そして、自然素材の建物ほど実際に体感する素晴らしさがあるものだと思います。

 

是非、気になる建物があれば、先ず体感しに行ってください。

 

そして、

自然素材の建物の魅力にいっぱい触れていっぱい好きになっていってください。

 

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